介護食を取り巻く状況は徐々に整備してきたが問題点も

「介護食」の定義はさまざまでしたが、近年は行政や業界団体による整備が進み、徐々にそれらが整理されてきました。 通販で扱われる介護食も増え、私たちが在宅で利用することのできる介護食の数も以前とは比べ物にならないほど多くの種類を選ぶことができます。

こんなメニューを選ぶ

介護食を扱う多くのサイトではメニューごとに食材の大きさや固さ、栄養、カロリーなどを明記していますので、それらを参考にメニューを選ぶ人が多いと思います。 農林水産省の整備した「スマイルケア食」では「青マーク」「黄マーク」「赤マーク」などの表示があり、商品を選択する際の目安になっています。

食事は栄養補給だけが目的ではない

最近は宇宙ステーションの食事もずいぶんとバラエティに富み、味も美味しくなっているようです。 食事の目的は栄養を摂取することだけではなく、その時間を楽しむことにも大きな意味が認められています。 介護食を通販で取り寄せ、一人で食べる高齢者が増えているようですが、そこにはどんな問題があるのでしょうか。

介護食の種類

農林水産省の報告によると、65歳以上の在宅療養患者の中で、「低栄養」の状態にある人が37.4%、「低栄養の恐れがある人」が35.2%あり、またものを噛む力については「あまり噛めず食べ物が制限される」が19.0%、「ほとんど噛めない」が4.4%、「全く噛めず流動食を食べている」が6.2%、つまり65歳以上の30%近くが噛むことに制限がある状態です。
さらに飲み込むことに関しても、65歳以上の50%近い在宅療養患者が程度の差こそあれ何らかの問題を抱えています。
ところがNHKプロモーションの調査報告によると平成26年の調査時点で介護食品を知っている人は68%にのぼっているものの、実際に利用したことがある人は33%に留まっています。
これらの状況を見ると、介護食のニーズはまだ十分満たされているとは言い難く、高齢化の進行に伴って介護食の市場規模も拡大するものと思われます。
日本介護食品協議会は2003年に自主規格として「ユニバーサルデザインフード」を作成し、噛む力、飲み込む力の程度に応じた食品の固さを分類し、また2015年「スマイルケア食普及推進会議」が民間の規格を整理分類しました。
日本農林規格(JAS)でも2018年、新たに咀嚼配慮食品の規格を制定します。
介護食品の商品自体に関しては徐々に整備が進んでいますが、それらを必要とする療養患者や高齢者に届ける手段についても一層の整備が求められます。
特に在宅介護や独居老人など、人手のケアーが十分に行き届かない場合は、介護食をどのように入手するか、また保存するかは注意を要します。